2023/1/11-13 に渡って行われたRegional Scrum Gathering℠ Tokyo 2023 (以下、RSGT2023)のクロージングキーノートに登壇してきたので、そこに至るまでのbehind the scenes的な話や、登壇して思ったこと、などを書いておきたいと思います。

当日の登壇資料はこちらです。動画は後日公開される予定とのことです。なお、資料の内容については、本記事内で言及しません。むしろ裏側で起きていたこと、考えていたことを書いておこうかと思います。

さて、では本ポストの本編です。

登壇半年前(夏頃)

登壇資料冒頭でも言及していますが、miholovesqさんから休日の昼間にDMがやってくるところから、登壇のきっかけは始まります。

いただいた当時は、めちゃくちゃ大変そうという気持ちと、受けたみたいという気持ちの両方がありました。個人の人生経験上、ちょっとチャレンジングな方に倒したほうが上手くいくことが多いので、その場で「やります」という返事をしたことを覚えています。

このとき、約半年も時間があるし、という甘い考えもありましたが、人は時間があれば使い切ってしまうという法則があり、結局今回も法則どおりにしっかり使い切りました。

登壇3ヶ月前(秋頃)

話すストーリーをぼやっと考えていたのが、だいたい秋頃です。で、これまでのRSGTのクロージングキーノートで公開されているものを読み漁っていた、振り返っていたのもこの頃です。

RSGT2018の岩切さんのクロージングキーノートをはじめ、読んでいくと素晴らしい内容がとても多いことに気づきます。ものすごく勇気付けられる、背中を押してもらえるような内容になっているのです。「これは、エモーショナルな要素を含めていかねば・・・」という暗黙の前提を感じ取っていました。

また、10月ごろに登壇に向けた連絡をいただいており、 「セッション概要や資料を日英併記にしていただけると助かります。」 というメッセージをいただいておりました。 まだ3ヶ月あるし英語化も大丈夫でしょ、と余裕をぶっこいていたら後からフラグをきっちり回収することになります。

登壇2週間前:年末年始休暇

年末年始は多くの企業で連休があるかと思います。私の所属する企業も例にもれずだったので、「この連休でなんとかなる!」という甘い考えがあったのですが、物事には不確実性があるもので、諸般の事情から進捗はイマイチでした。

ただし、1/5に通訳者の方向けの資料提出締め切りがありました。提出後の変更も許容されているものの、骨子が変わってはまずいと思うので、脳内予定ではここで90%ぐらい仕上げる予定でした。しかし、最終的には60%ぐらいだったと思います。(ごめんなさい)

1/5に60%だったとしても、あと1週間あれば余裕!というわけでもなく、業務などのイレギュラー対応をしているとあっさり時間が流れていきます。そして、気づくとRSGT初日まで時間が進んでいきます。

RSGT1日目: 登壇2日前

この日は自社の予定があったため、現地では参加せずオンラインで見れるもののみ参加していました。

夕方以降に資料の追加修正をして進捗70%ぐらいになっていたと思います。

RSGT2日目: 登壇前日

この内容で良いのだろうか?話すべき内容は他にないだろうか?という仮説検証や気付きの意味で、オンサイトの参加者と話すべく現地で参加しました。

控室でお昼ごはんを頂いていると、 bayashimuraさんが来てくれたので、ちょっとした雑談しておりました。その流れから、会場内のPodcast収録会場を案内いただけるところことになり、収録場所に向かっていたところmiholovesqさんと遭遇します。

で、miholovesqさんに呼び込まれて、そのままエンタープライズにおけるアジャイル的なテーマでKindMapleさん、viva_tweet_xさん、arisatirolさんと話をしていました。ここでの雑談内容の詳細は伏せますが、「あぁ、なるほど、こういうところに困りごとがあったのか」と個人的にとても大きな気付きが生まれます。実際、ここでの気付きをその場でスマートフォンにメモして、その後に資料反映しています。

その後、岡島さんの講演をセッション会場で拝聴しにいきました。で、聴きはじめたところ「あ、これ言及している本の元ネタまでかぶっている!」とすぐに気づきます。その場で、これはスライドで言及しよう、とまたメモしていました。

Day2から帰宅後に個人として時間の取れる22:00〜ぐらいから残りの資料修正をはじめます。

そう言えば、受付した後に yohhatu さんが近くにいらっしゃったのですが、ここで話しそこねてそのまま話せなかったのは、今回のRSGT2023のやり残しポイントの1つでした。(来年こそは話したい!)

RSGT3日目: 登壇日

登壇日といつつ前日の夜遅くから、登壇日の朝4-5時ごろまで資料を作っていました。 で、その後に仮眠をとって、子供の送迎をして会場に向かう、ということを考えていました。

ただ、9時ごろにmiholovsqさんから、「岩瀬さん〜」とだけ書いてあるDMがありました。この時、私の中では一瞬、時が止まるという文字通りの現象が起きて、直感から、「やばい、何かやらかした気がする」「実は集合時間があって、すっぽかしたっけ?」「あ!そういえば、これ資料を日英併記だった!!!」と、0.1秒ぐらいで気づくことに成功します。

その後、自宅で資料修正をはじめます。このときのEnglish Writingのベロシティは人生最速だったと思います。過去、TOEFLやTOEIC Writingを受験したこともありますが、たぶん今回のが早かったと思います。

その後、会場へ向かう電車の中でもMacbookをひらいて修正を続けていました。時間帯も通勤ラッシュからズレていたこともあり、座席に余裕があったので助かりました。

会場到着後は通訳者の方とのミーティングが予定されていたので、その直前まで資料修正を続けていました。たぶん、英訳できたのは65%ぐらいだったと思います。自爆なのですが資料枚数が多すぎて終わりませんでした。

で、通訳者とのミーティングの後にも資料修正を続けていたのですが、kawagutiさんがいらっしゃって、「もう諦めます」と宣言したことを覚えています。

あ、そういえば、通訳者の方とのミーティングに運営の方も同席いただいており、「っは、この方が噂に聴くみさコーチでは!?」とテンションが上がったことも記しておきます。(が、別の方でした!なんというか、すごい安心感がありました!!!)

登壇直前〜登壇へ

実は、ちょっとしたアクシデントがあり、用意してきたMacbook2台のうち、発表に使おうとしていたMacbook(A)の画面がスライドに投影されない、という事象がありました。Macbook(A)側では追加ディスプレイの認識をしているものの、画面が映らずという状況です。変換アダプタも変えてみるもののNGでした。で、もう一台用意してきたMacbook(B)に接続したところ、無事に投影できたのでこちらで進めることになりました。

これで何が起きたかということ、いつものプレゼンスタイルをちょっと崩す必要が出てくることにつながります。というのも、プレゼン用に愛用しているLogicoolのポインターであるSPOTLIGHTをMacbook(A)にペアリングしていたのですが、これをMacbook(B)に接続しなおす余裕がなく、そのままトークを開始することになりました。

なので、普段はMacbookの画面を横目にもっと前を向いて話せるのですが、今回はページ送りのためにキーボードを押さねばならず、後ろを向く回数が増えてしまいました。(これは次回に活かしたいと思います)

登壇直後

登壇直後から、色々な方にお声がけいただきました。(ありがとうございます!) 「自社でもやってみます!」「(or)もうやってみました!」みたいな話をお聴きできたので、「あぁ、話して良かったな」とすぐに実感できてHPはゼロでしたが、MPが休息に回復していったことを覚えています。

ここまでが、時系列の振り返りです。最後にちょっとした反省(今後への個人的な改善点)と、感想を残しておきます。

反省

大きく2点あります。

1. 話すスピード

同時通訳をしてくださった方との事前ミーティングにて、もっとゆっくり話してください、と依頼いただいていたのですが、当日の緊張から講演冒頭では覚えていて講演でも言及したものの、冒頭3分で消し飛んでいたと思います。ごめんなさい。

2. バッファ

経験上、締め切りが近くなればなるほど、個人のベロシティが高まることがあるため、意図的に締め切りを設定してスケジューリングすることがあります。締め切りがほぼ毎日やってくるように設定することで、高いベロシティを保つというアプローチです。ただ、この方法には秒でわかる欠点があり、不確実な割り込みイベントが発生すると、予定が一気に崩れることになるのです。今回は重大なイベントであることから、もう少し余裕をもたせるべきでした。

登壇後の感想、落ち穂拾い

登壇のお礼

今回、お聴きいただいた皆様、本当にありがとうございました。また、登壇機会をくださった運営の皆様、本当にありがとうございました。

RSGT2023は、自身の学びを整理・言語化し、今後のアクションを考える良いきっかけになりました。また、フィードバックも多くいただけたことから、自分のモチベーションも大きく高まりました。他セッションの講演もすばらしく、今年の行動に早速反映していきたいと考えています。

RSGT2024に向けて

カンファレンスあるある、なのかもしれませんが登壇があると、登壇前にあるセッションに真の意味で集中できないのです。バックグラウンドで緊張デーモンがゆるやかに動作していて、CPUとメモリを僅かですが専有しているのです。セッション中に話を聞いていても、「あ、これはとてもいい内容だし、講演内容の補強になるから言及しよう!」とつい脇道にそれて考えてしまうことがあります。

来年は1人の参加者として、緊張デーモンを落として参加したいと思っています。参加したら、セッション参加はほどほどで廊下で誰かと話をすることに集中したいと思います。Gatheringの場ということもあり、集まって誰かと話をすることに一番価値があると思っています。

というわけで、RSGT2024でお話しましょう!