はじめに

「リモートワーク チームが結束する次世代型メソッド」を読み終えたので、その簡単な書評を書く。

書評

本書籍はリモートワークに関する、ベストプラクティスが大量に詰まっている素晴らしい書籍だった。個人的にリモートワークに関する記事(効果的なリモート会議にするためのプラクティス - Effective Remote Meeting)という記事を書いていたが、そこでカバーしていない気づきが多くあった。

重要だと思われる点は何度も何度も繰り返し記載されている。ちょっとくどいかもしれないが、それだけ重要なのだろうということで、一部は流し読みしつつ読み切った。

以下では書籍の中から、とても良いなと思った箇所のメモと、実際に仕事を通じて思っていることなどをコメントで付記しつつ紹介していく。

メモ+コメント

リモートワーカーで最も大きな成功を成し遂げている企業は、
高品質の機器を取り揃えることに気を配っています。

非常に当たり前かもしれないが、ラップトップやウェブ会議必要な機器をケチってはいけない。

リモートワークを始める企業にとって課題となっているのは、
物事を文書化する習慣が十分に身に付いていないと言うことです。
なぜなら、隣の席にいる同僚と一緒にその場で決断を下すほうがはるかに簡単だからです。
これは、機敏性が求められるベンチャー企業に特に当てはまります。
日々の意思決定の場にいない人々を参加させるには、新たな習慣を取り入れる必要があります

これは従来、オフィスで働いていた人にとって、なかなか難しい部分だと思う。リモートワークでは、文章の重要性が増す。従来であれば、近くの会話から耳に入って入手できていたような情報がゼロになるため、経緯や決定事項を文字で残すことが非常に重要になるからだ。 文章を書くと言うのはなかなか手間であるため、残していくための文化や強い意志が必要となる。

リモートワーカーに必要なスキルセット
- テクノロジーに精通している。
- コミニケーションスキルが非常に高い。
- (略)

リモートワークに必要なスキルセットとして最初に挙げられている点が、テクノロジーに精通していると言う点だ。リモートワークは、ウェブ会議などでトラブルが起きやすい。その時に自身でトラブルシュートできる、と言うのは非常に心強いスキルになるだろう。

リモートワークで働く多くの人は、自分の成果を進んで宣伝する必要があります。
それが業務を見える化して働くと言うことです。

書籍の中では、業務を見える化することの大事さが何度も語られている。リモートワークでは、相手の仕事を見ることが難しい。したがって、自分がどのような仕事をして、どのような成果を上げているか、について積極的に発信することが重要だ。

子供のいる自宅でリモートワークをする場合は、家族と取り決めをしておきましょう。
仕事をしながら同時に育児をする事は、幻想でしかありません。

ですよね〜、となった…。

ビデオに抵抗がある人は、おそらくそれを十分に使用していないのでしょう。
でも実際のところ、いちど使い始めたら、それ以前の状態にはもう戻れません。
ビデオ通話には確かに準備が必要です。
でもオフィスに出勤するのにも着替えなどの準備が必要です。
人は隠れるのが好きです。我々は怠慢で、静止画像やオーディオだけの通信の影に隠れることを行います。
しかし、その怠慢さに負けてビデオを拒否する事は、
長期的な意味で、有効性やつながりのを損なう危険を冒すことになります。

実は私は以前、ビデオ通話は必須ではないと思っていた。しかし今のチームに移動してから、ビデオのありがたみがよりわかるようになった。特に新しいメンバーで働く場合などに、信頼関係がまだ構築できてない状態の場合に、相手の表情が見える事は非常に情報量が多いことがわかった。例えば、トピックにポジティブな反応なのか、ネガティブな反応なのか、といった内容が表情に現れるからだ。

ただし、気をつけるべきこともあり、資料共有をしてしまうと、顔が見えなくなることがある点だ。そのため、個人的には複数の機器で会議に参加することもある。たとえば、iPadからはギャラリーモードなどで、相手の参加者の顔を常時表示している。複数機器で入る場合は、準備が少しだけ面倒なので、割とガチの会議でのみ使っている。

問題なのは、ほとんどの場合、小さな不満は消える事はなく、長い間ため込まれて、
チームが方向性の一致をさせるのに外を及ぼすようになる危険があると言うことです。

リモートワークでは、対面で築けていたような、小さな表情などから見える問題、課題が見えにくい。そのため、より1on1などで課題を見つけるようにするのは、重要な気がした。

チーム規約は、共有される情報の種類、メンバーが互いにコミニケーションを取る方法、
誰が何をしているかを知る方法など、チームのすべてのプロトコルを明確にします。
本質的にチーム規約とは、チームの結束のために基礎を固めると言うことです。

1種のワーキングアグリーメントだと考えていて、リモートワーク中心に文書化するのもとても良いアプローチだと思ったので、近いうちに作ってみようと思う。

参加者の熱意を最大に保つためには書面で伝えられる情報はミーティングに含めないようにします。
多くの人はConfluenceやSlackなど、
進捗状況を投稿するのための決まった場所を用意することを推奨しています。
代わりにミーティングの時間は話し合いに使います.

単に周知だけの打ち合わせよりも、打ち合わせで話し合いをしたい。

(なお、最近気づいたことだが、周知の打ち合わせであっても、その打ち合わせ録画を2倍速で見るのは理解度の観点から、良いと思っている。やはり、口頭での説明はわかりやすい。)

常に複数の通信回線を持ちましょう。
もちろん、ソフトウェアの不具合が発生したときに備えてと言う意味で、当たり前のことです。

これも、共感できる部分だった。非常に重要なミーティングの場合は、複数の機器で入る。そのうちの1つの機器はスマートフォンで入るようにしている。スマートフォンはWi-Fiで繋いでいるが、もしWi-Fiが切れてしまった場合に、キャリア回線でつなげるようになっている。そのため、自宅の固定回線が切断されても、ミーティングにすぐに復帰できる。

おわりに

個人的には今後の各企業の採用活動等においても、リモートワークで働けるどうかどうかが、1つの参考材料になるのではないか、と考えている。例えば、テキストでのコミニケーションをうまくできる、ウェブ会議の投機的コミニケーションでも問題がない、といった点が重要になるのではないだろうか。

本書は、所属する会社や組織のリモートワークの生産性を、高めるために非常に良い学習材料となるだろう。