定例ミーティングのなくし方
本記事は、1時間で読み終わるエンジニアリングマネジメント本を書き始めてみるで挙げたトピックの1つです。
はじめに
この記事では、定例ミーティングが増える理由と、その定例ミーティングを減らす方法について書いていきます。
まず個人的な定例ミーティングの捉え方として、「定例ミーティングは必要悪」だと思っています。同期的に人の予定を抑えることから、コストが非常に高いのです。ただし、意思決定や腹落ち感の醸成などの効果も大きいためゼロにはできません。参加者の役割にももちろん依存しますが、基本的にはパフォーマンスを出すためには少なければ少ないほどいい。
マネージャーという立場で考えると、ミーティングはどうしても多くなりがちです。外部調整や部門横断の相談も多く、カレンダーはすぐに埋まっていきます。そうなると、予定調整そのものがだんだんパズル化してきます。この状況が、定例ミーティングを増やす方向に自然と働きます。
なぜ定例ミーティングが増えるのか
定例ミーティングが増える理由は、主に3つあります。
1つ目は、予定調整コストが高いことです。 「誰がどこで空いているか」を毎回確認するのは、地味に大変です。実際、その都度調整しようとしても、全員の空き時間を見つけるのが難しく、結局「毎週この時間で固定しましょう」となりやすく増えていきます。
2つ目は、「念のため」の招待と情報共有の不安です。 主催者側には「呼ばないと後で揉めるかもしれない」「情報共有の漏れを防ぎたい」という心理があり、本来は議事録共有で十分な人まで招待してしまうことがあります。 参加者側にも「自分だけ取り残されるかもしれない(FOMO)」という不安や、「断ると角が立つ」という同調圧力があり、とりあえず出席が増えていきます。 ちなみに参加者が増えた場合のミーティングでは、参加者が内職する可能性が上がるという結果もあります。(参考参照)
3つ目は、意思決定の責任分散と過度な合意形成です。 誰か一人が決める責任を避けるために、「みんなで集まって決めた」という状態を作る目的で会議が設定されることがあります。加えて、事前根回しや全員の納得を重視しすぎると、情報伝達ではなく「顔合わせ」や「儀式」としての定例が増殖します。
つまり、定例は予定調整の合理性に加えて、組織心理の要因も重なって増えるわけです。
それでも、定例は増やしすぎないほうがいい
問題は、合理性を積み重ねた結果、カレンダーが定例だらけになることです。
本来やりたい仕事に使う時間、特に集中して考える時間が削られていきます。 チームの生産性は、集中時間をどれだけ確保できるかでかなり左右されるので、定例ミーティングは冒頭に述べたように少ないほうが良いです。
では、どうやって減らすか。以下では個人的に効果があった方法を紹介します。
定例ミーティングをなくす方法
1. 最初から終了日を決める
定例を作るときは、できるだけ短い期間で取り、終了日時を必ず設定します。
例えば「このテーマは3か月で一区切り」と思うなら、3か月だけ定例を入れる。最初から1年やエンドレスで入れない。これだけで、かなりの会議が自然に整理されます。Google CalendarやOutlookの定例設定では、終了日を入れるのは簡単なので、新規に定例を作るときは、必ず入れるようにしましょう。
終了しても誰も困らないまま消える定例は、そもそも不要です。
2. 節目で定例をいったん全部消す
年末年始や期の変わり目など、区切りの良いタイミングで定例を一度すべて消す方法もあります。
必要な定例ミーティングは、結局また設定されます。逆に再設定されないものは、なくても回るということです。
「一度やめてみる」は、継続の惰性を断ち切るのに効きます。
なくしきれない場合のコスト削減
全部はなくせない前提でも、定例ミーティングのコストを下げる余地はあります。
1. 頻度を下げる
毎週開催しているなら、「本当に毎週必要か」を、ミーティングの終わり際にでも参加者同士で振り返ってみる手もあります。隔週に変えるだけでも、時間がかなり戻ってきます。5人参加で1時間の定例が隔週になれば、月間で10時間、年間120時間ほど集中する時間が増えます。
2. 参加人数を絞る
定例は、参加者を増やすのは簡単です。OutlookやGoogle Calendarでも、予定を転送すればすぐ増える。一方で減らすのは心理的に難しい。突然、参加者を削除したら「なんで?」となるかもしれません。
このときは、SlackやTeamsのチャットで次回以降の参加をオプトインにする方法が使えます。 具体的には「参加したい人だけリアクションしてください」としておくと、自然と人数を絞り込めます。
まとめ
定例ミーティングが増えるのは、予定確保や調整コストだけでなく、情報共有の不安や責任分散の力学もあるからです。ただ、それを放置すると集中時間が失われます。
だからこそ、
- 定例には終了日時を入れる
- 節目でいったん全部やめる
- 頻度と参加人数を見直す
この3つあたりを意識するだけでも、一定の効果があります。というわけで、定例ミーティングの見直し、ぜひやってみてください。
参考:おすすめの書籍
ミーティング関係でおすすめの書籍がいくつかあるので紹介しておきます。
本文で言及していた、参加人数が増えると内職する人が増えるという結果も載っている書籍です。
amazon流でとても有名な、「会議冒頭で黙読する」を紹介されている書籍です。パワポやスライドを作るのが個人的に好きではないので、かなり参考にしています。
ミーティングというのは、ファシリテーターの振る舞いによって大きく成果が変わります。例えば、「今日は自由に話し合いましょう!」と投げかけても「シーン」となってしまうようなのは、ファシリテーターの振る舞いが不十分な例です。じゃあ、どうしたらいいかというのを、体系的に解説されている書籍です。


